ものを作りたいという熱意は
2017.9.14
今年受け入れを始めたインターン生。
この6月から9月いっぱいまで、
述べ七人のインターン生が2〜3週間、
石徹白に滞在し、藍染、草木染め、
そして最後には、何か自分の服作りを
試みてくれました。
ちょうど、今日までの滞在だったのは、
東京から2週間、夏休みを利用してきてくれた
男子大学生のKくんでした。

染めの作業を中心とした
お仕事内容で、インターンを募集するので
当たり前かもしれないのですが、
みんな、もの作りに興味が強くて、
周りの草木を採取して、グツグツ煮て
色を出して、染めることや、
コツコツと縫い物をすることに
目を輝かせて取り組んでくれています。
藍染も、地道な作業で
毎日の藍甕のお世話も大変ですが、
積極的に取り組んでくれて、
ありがたい限りです。

自然の中にあるものから、
色をいただくことや、
糸をとって、それを暮らしの中に
取り入れることって、
私たちのご先祖様が代々、脈々と
行ってきたこと。
今は、こうした作業はどこか遠い国で
行われていて見えなくなっていますが、
実は、ものを生み出すことの喜びを
潜在的に知っていて、
それに触れると、血が騒ぐのかなあ、
なんて、自分自身の経験も鑑みると、
そう感じたりしています。

久しぶりに、
柳宗悦氏の「手仕事の日本」という本を
読んでいて、より強く、それを思っています。
「機械はとかく利得のために用いられるので、
出来る品物が粗末になりがちであります。
それに人間が機械に使われてしまうためか、
働く人からとかく悦びを奪ってしまいます。・・・
(手仕事には)自由と責任とが保たれます、
そのため仕事に悦びが伴ったり、また新しいものを
創る力が現れたりします」
民芸、暮らしの中から生まれる美しさ、
丁寧な手仕事を追求していくこと。
それは、至極当たり前のことであったのだけど、
時代の変化の中で、お金を中心とした
生活となってしまい、粗悪なものが
流通するようになった。
私たちも、もちろん、ミシンという機械を使って
服を作りますが、あくまでも、ミシンは
手の延長と考えていて、それに振り回されるのではなく、
必要な時は、手まつりなどをして
工場縫い・工業パターンに縛られない
ものづくりの仕方をしています。
これは、うちの服を縫ってくださる方の
スタンスから学んだことなのですが、
やっぱり、手仕事が入ると、服の見栄えが
全く違うのです。
人の手が加わっているからか、
温かみというのか、
深みというのか、
魂が宿るような感じがするのです。

「歴史とは何なのでしょうか。
それはこの地上における人間の生活の
出来事であります。
それが積み重なって今日の生活を
成しているのであります。
ですからどんな現在も、
過去を背負うていると言わねばなりません。
吾々は突然にこの地上に現れたのでは
なく、それは長い時の流れと、
多くの人々の力とによって
様々に今日を得たのであります。・・・」
石徹白の野良着を作っていると、
まさに、柳氏の言うことが
身に染み込んできます。
周りの自然の恵みを受けて、
いかに工夫や改良を重ねて
作り出してきたのか・・・
私はそれを幸運にも、
失われてしまう前に、
長老らから直接教えていただくことが
できた。
「私たちの為すべき務めは、
ただ歴史を繰り返すことではありません。
・・・歴史の中で最も
特色がありまた優れている面を
よく理解して、それを更に進歩させ
発展させて行くことであります・・・」

そう、柳氏は、ただ単に
懐古主義的だったのではなく、
地方の民芸に対する愛情だけが
深かったわけでもなく、
残していくべきものの、
あるいは、新しく創造していくものの
美意識を明確に持っていた。
私は、その取捨選択が、きちんとできていて、
こうあるべきという方向性を
打ち出して、さらに、工夫を加えて
新たな歴史・伝統を
生み出すことができているのか、
常に問い続けて
ものづくりをしていきたいと思っています。

ものを創ることの悦びを持って、
自然の恵みへの感謝と、
先人の知恵や技術への敬意を持って、
この石徹白という土地で
精一杯、関わる人皆が、
愉しみながら、豊かな気持ちで・・・。
そんな理想を掲げつつ。

↑
石徹白洋品店
〒501-5231 岐阜県郡上市白鳥町石徹白65-18
TEL:0575-86-3360
© Itoshiro Yohinten.
