今年初めての藍の仕込み
2019.4.29
今日は今年最初の藍の仕込みでした。
去年の秋に、初めてのすくもを仕込み、
今年から、自分たちのすくもで!と思っていたけど、
その年に仕込んだすくもは1年以上寝かした方が
色が良い、ということで、
今年も、徳島の佐藤さんのところから
取り寄せたすくもを使わせていただきます。
私が自分で仕込んだすくもに比べると
大分黒々としていて、土のようで、
やはりプロの技を感じています。
おそらく、私が初めて仕込んだものは
まだ発酵が甘かったのかもしれません。
どんな結果になるかは、来年のお楽しみです。
さて、今年は、初めて、授乳中でも妊娠中でもなく
一人の身でもって、藍と相対することができるので
それが楽しみで仕方ありません。
藍の畑を始めたのが、次男がまだ歩くかどうかのときだったので
おんぶで畑を耕して、かなりしんどかった思い出があります。
そして次の年から藍染を始めましたが、まさに三男妊娠中。
去年の春には、三男をおんぶしながらの藍染でした。
授乳中でもあり、体はヘトヘト。
なんとか持ちこたえていました。
今年は、長男が小学生になり、
三男が1歳半を超え(まだ一人で歩き出さないけれど)
私自身、生物として、ずいぶん楽になったと、
振り返ることによって、わかるようになりました。
それくらい、今までは必死で必死で。
(今も三男は夜泣きを激しくするので
まだまだ暗いトンネルは続きますが・・・昼間は楽なのでありがたや~)
そして仕込んだ今日の藍さん。
とてもスムーズにできました。
ポイントとなる温度にも気をつけ、
経過を見ると、なかなか良い感じと思います。
今年から、藍染めをしに石徹白洋品店に来てくれた
なみほちゃんのおかげで、
灰汁仕込みのための灰もしっかりと炒ることが
できました。
やるべきことを、きちんとやるって
意外に大変で
(初めての年は灰を炒っていなかった)
手をかけようと思えばいくらでもかけることができるので
どこに力と心を注ぐか、バランスを見ていかないと
限りがないなあと思っています。
とはいえ、より良い藍の仕込みのためには
灰汁は命!
今回、いい灰汁が取れたと自負しているので
これからの経過が楽しみです。
藍染めは他の草木染めとは全く違って、
この仕込むこととか、お世話することが
大変なのですが、染めるのはそれほど手間のかからないものです。
もちろん、植物から育ててやろうとしているので
畑をしなくてはならず、それはそれは大変の連続ではありますが、
この育てた葉っぱたちによって
こんなに美しい色が出てくれるので、
やりがいがあって、やり続けてしまいたくなる染めなのです。
畑経験が皆無で、種から芽を出すのが苦手な私ですが
がんばって続けていきたいと思うのは
やはり、藍染の魅力に囚われてしまったからだと思えます。
コストもかかる
エネルギーもかかる、
それ以上に、心、気持ちを込めるので
心身ともに疲れることも多々有る。
けれど、やりたいことなので、仕方ないですね。笑
きっと何年先も、こういう風に藍と付き合っているのだと思います。
妥協せず、やりたいことを、一つずつやっていき、
やりたい仲間とともに、喜びも苦しみも、大変さも共有していける。
そんな今の環境が、本当にありがたいと思います。
どうか上手く藍が建って
今年は失敗することなく、
染める続けることができますように。
神様に祈る気持ちで、藍との日々を過ごしています。
明日、藍の甕の蓋を開けることを楽しみに。
(平野馨生里)
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