顔の見える服作り
2017.12.11
石徹白洋品店は、
小さなお店だからこそ、
顔の見える関係の中で
ものづくりをすることができて、
それがとても楽しいし、
あったかい感じがするし、
気持ちがいい。
よくわからない背景のもと
作られているものを着るより、
誰が、どういう風な思いを持って
作っているのかを知ることができるって
服を見る目が違ってくるように
私は思うのです。
私自身、例えば、染めを染め屋さんに
お願いしたことがあります。
その時、草木染めだったから
むらになったり、色が思うような色では
なかったことがあって、
染め屋さんにがっかりして
その布は結局使わなかった。
けれども今は、うちの工房でみんなで
染めたり、インターンに来てくれたMさんが
自宅の染め場で染めてくださっています。
そうすると、どんな材料をどうやって集めてきて
いかに気持ちを込めて丁寧に染めてくれているか
手に取るようにわかるのです。
だからか、どんな色でも私には
綺麗に見えるし、もし、思わない色だったとしたら、
どうしたらより良くできるかを、
相談して染め直しもできるので、
その色に、その布や服に一層愛着が湧きます。
近くのセイタカアワダチソウで
リネンの生地を染めてくれていました。
栗のイガも拾って、
これから染めてくれるとのこと。
鉄媒染だと渋いグレイになります。
草木染めでムラなく綺麗に
染め上げるのは大変なことを
私は経験上知っているので、
ものによっては、ムラも味と
思えるものもあり、
それもお客様に説明することができる。
均一じゃない良さがある。と思っています。
縫製に関しても、
身近な職人さんにお願いして、
密に連絡を取りながら、
いろいろなお願いゴトをしながら
進んでいます。
彼女は、私の専門学校時代の
つながりのYさん。
たつけやはかま、ワンピースなど
幅広く、うちの服を縫ってくれています。
ただ縫うだけではなくて、
これをよりよくするためには
どうすればいいのか、
一緒に真剣に考えてくれるので
本当に心強いです。
履き心地、生地の向き不向き、
縫いの綺麗さ・・・
いつも全力で向き合ってくれるので
励まされてばかりです。
特に、たつけやはかまは、
和裁の技術が元になっている服なので
洋裁しか経験のない人にとって
難しい面もあります。
そういうところを相談を重ねながら
進めていってくれて、
和裁と洋裁、両方のいいところが
石徹白洋品店のたつけには
見ることができる、と思っています。
服をデザインや色、値段だけで
買うのが普通だったけれど、
私はもはや、どういう背景で
どういう人が、どういう思いを込めて
作ったのか、というのもセットだなあと
思うようになりました。
当然、デザインや色も大事。
両方兼ね備えた、
素敵だなあと思える服作りを
これからも重ねていきたいと思います。
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石徹白洋品店
〒501-5231 岐阜県郡上市白鳥町石徹白65-18
TEL:0575-86-3360
© Itoshiro Yohinten.