糸引きワークショップにて
2017.6.18
6月17日に行った
「糸引きワークショップ」。
みなさんが、大切に育ててくださった
お蚕さん、玉小石のピーナッツ型の
可愛らしい繭たちを、
糸にさせてもらう前に、
石徹白白山中居神社の
菊理姫様に奉納しご祈祷していただきました。
総勢25名(子供を合わせると30名以上!)の
参加者のみなさんが集まられ、
ご祈祷は粛々と行われました。
もっともたくさん育てられた方は
400個近く!すごいです。
お蚕さんの命をいただく事に
改めて感謝の気持ちを抱き、
できる限り、大切にさせてもらおうと
思う事ができました。
大勢で直会を。
そして、午後から、糸引き開始です。
3台の座繰り機を使って、
3つのグループになって、
糸を引きます。
玉小石は、原種で小さいために、
だいたい、1頭で500メートルくらいしか
糸を引く事ができません
(F1品種は1500メートル引けます)。
かつ、1本の糸の頭数も、
F1だと30個〜40個くらいの太さも
80〜90個ほど必要となります。
これは効率的ではない、
ということで、品種改良を重ねられ、
大きくたくさん糸が引けるものが
主流となってきたのはよくわかります。
しかし、実際に、この玉小石を育ててみると
小さいために、桑の葉っぱもそれほど沢山
食べないし、場所も取らない、
かつ、繭になる期間も短くて、
普段の暮らしを営みながら
ともに生活していくお蚕さんとして、
ものすごく自然に近いと思いました。
なんでもそうだけれど、
産業化の過程で効率と経済性を
重視するがために、
失われてきたものの価値が
ここにはあるのではないかと感じたのです。
玉小石の糸は、確かに、
均一性はF1に劣るかもしれないけど、
しなやかで丈夫です。
きっと、長く、大切にされて
次の世代に受け継がれる、
そんなものになるのではないでしょうか。
この原種の繭を、
石徹白の白山中居神社に奉納できたこと、
この土地で、皆で一緒に
糸を引けたことに
感動しています。
この日の出来事は
なんだかものすごく大きく、
これからの、石徹白洋品店の進む道に
新たな光となると感じています。
お蚕さんを愛し、
原種を育てることを始められた
矢沢さんに、心から感謝して。
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石徹白洋品店
〒501-5231 岐阜県郡上市白鳥町石徹白65-18
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© Itoshiro Yohinten.