木を植えよう、森をつくろう
2019.11.28
ここ最近の私の関心ごと。
そして、私の尊敬するHさんのところに
どうやって、木を植えたらいいのですか?
石徹白は寒いから何か特別な方法はありますか?
と聞きに行きました。
すると、「しゃーなもん(そんなこと)誰でもできる」
「木を植えるのは春。春は何もかも芽吹く時だから
その時に植えるのが一番いい」と。
そして
「もし、山にあるものを苗木にするんやったら、
2年くらいはかかる。脇の根っこを切って、
太い根だけにして
育てて、それを植えるといい」と。
「そりゃあ、今から木を植えて、そんなに時間かからず
栗やらくるみやらを獲れる。お前の息子が大人になって、
その子供が拾って遊ぶようになる。それはいい」
とまで、
私の頭の中の妄想が目の前に見えているかのように、
先の話をしてくださいました。
それを聞いて、私の方が、にんまりしてしまって、
目の前に広がる未来が、より明確に
モノクロのぼんやりとしたものが
鮮明でカラフルなものに変わりつつあります。
栗やくるみなどのナッツ系の木は、
その葉っぱや実自体が染め材になります。
現状でも周りにたくさんあるけれど、
すぐ近くで採れるようになると、なおいい。
そして、どこだったか、
江戸時代に飢饉が頻繁に起きた時
「栗、1町歩あれば飢えをしのげる」という話を
聞いたことがあります。
栗の木を身近に植えておくことが
命をつなげる知恵だったということを知りました。
栗やくるみは、育ち盛りのうちの子供たちは大好きで
拾ってきて、食べます。
くるみは生のままでも、大きな岩で割って食べ、
栗は拾うごとに、茹でて欲しいとせがまれ、
時間をかけて茹でて、それを包丁で割って、
スプーンで一生懸命中身をくりぬいて食べます。
きっと栄養価が高く、味がいいのはもちろんだけど、
本能的に欲するものなんだと思う。
(それくらい、彼らは好んで拾って食べる)
うちの裏にも大きなくるみの木があるし、
その落ちたクルミをネズミやリスが運ぶのか、
家の近くには、くるみの小さな木がそここにある。
ここはきっとくるみが生えやすい土地なのでしょう。
何を植えるかを考えた時に、
私が欲しいと思う木がベースだけれど
この土地で自然に育ってきた木を中心に
考えることを基本としていきたいと思っています。
こうして木々を育て、
小さな森ができ、
その恵みで染めること、
そして食べることを補い、
落ちた葉っぱは肥料となり、
次なる収穫に寄与してくれる。
お手本は、すぐ近くの森や山。
ここで生きてきた人たち。
まだまだ残る知恵を
今のうちに伝え聞き、
それを実践して、形にしていきたい。
昔の知恵を聞き取って、書残すだけでは十分ではなく、
私は、それを、これからの暮らしに取り入れていきたい。
それが、この石徹白に暮している一人としての
いい意味での義務であり、愉しみなのかなと思うのです。
来春、森づくりを始めたいと思います。
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石徹白洋品店
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© Itoshiro Yohinten.