変化と、大きな歩みの一年
2017.12.21
ここ数日、雪が落ち着いて、
とにかく美しい雪景色に
ため息をつく朝を、迎えています。
そんな日の朝は、
決まって極寒ですが、
キーンと冷え込めば冷え込むほど
背筋が伸びて、
頭がきりりと研ぎ澄まされるようです。
一年を総括するには、
まだ少し早いかなと思いつつも、
時間があるうちに・・・と
書いてみようと思います。
今年はとにかく激動の、
新しい取り組みや出会いに溢れた
一年となりました。
たった一年の間に起こったこととは
思えないほどの、たくさんの出会い、
経験を重ねることができたことに
感謝の気持ちでいっぱいです。
去年12月の、岐阜市のstenportでの企画展を
皮切りに始まった「マチギ」「ハレギ」ライン。
今では、「ノラギ」ラインとともに、
石徹白洋品店を支えてくれるシリーズに
なってくれました。
ハレギは、
職人技の生地に出会い触発される
創造力、想像力にたまらなくワクワクする。
マチギは、自分自身が着てみて
日常がより彩られ、
さりげなく訪れるウキウキな日常。
これまでの「ノラギ」を作るときには
なかった感情たち。
それぞれのコンセプトや作り方を
少しずつ違えることで
こんなにも多様な感情を、服作りに対して
抱くことができるんだ!というたくさんの発見。
これも、藍染、機織り職人さんの
皆藤さんとの出会い、
そしてデザイナー、杉下仁美ちゃんの存在の
おかげ様でございます。
4月には、カンボジアへの染めの研修に行きました。
そこで、私が、石徹白洋品店として
大切にしたいことを改めて整理することが
できました。
その地域にあるもの、足元にあるもので
染めること。そこにいる人たちと
愉しく、豊かな仕事を生み出すこと。
暮らしの延長に、手仕事があること。
インターネットで世界中とつながることができて
そういう利点を生かしながらも、
大切にすべき軸はぶらしたくない。
それを再確認するための
大きな契機となりました。
何よりも、私の恩師である森本喜久男さんと
1週間共に過ごすことができた
この奇跡のタイミングでの訪問。
いろんな理由(妊娠初期だったとか、
子供達がまだ小さくて連れて行くのが大変とか)で
諦めていたら、一生悔やんでいただろうと思います。
そして、6月から始まった藍染。
郡上の「手しごと会議」の仲間との出会いと、
郡上大和の藍染の師匠との出会いや
その後の一連の大きな出来事がなければ、
ここまでのスピードで、実現しなかっただろう
藍甕の設置と、藍染のスタート。
このペースが良いのかどうか、
未だわからないけれど、
この時に始めなかったら
きっといつまでも決意が固まらなかっただろうと
思います。
さらに、藍染職人さんの皆藤さんが
懇切丁寧に指導してくださったために
無事に夏場の藍染を終えることができた。
全てが必然のタイミングで繋がって、
蓄積されて、実現したことを
私は今度はよりよく、継続していくことに
力を注いで行きたいと思います。
インターン生の受け入れも
大きな挑戦でしたが
何人もの、素晴らしい人たちとの
ご縁ができ、ありがたいと思う毎日でした。
また、バックヤードを下支えしてくれる
超頼りになるスタッフ、加藤万里子ちゃんを
仲間に迎えることで、これまで混乱を極めていた
経理や、在庫管理が、見違えるように
美しくなり、私の力の注ぎどころを
フォワードに移行することができたのも
組織として、革新的だったと思っています。
展示会でいえば、大野市での企画展、
東京・西麻布、横浜・戸塚など、
初めての場所でのありがたいご縁のもと、
石徹白洋品店の服をたくさんの方に
見ていただく機会をいただきました。
躍起になって場所を探す・・・と言うより
これまでの出会いやご縁が
柔らかく有機的に繋がって
自然な流れで、形になっていった、と言う感覚が
あります。が、それぞれの会場に関わる方たちに
多大なるご協力をいただいて、
実施することができたことに
心からありがたく思っています。
あれもこれも・・・と
今年はできることは全て
やってみた、という感じで
バタバタと、しかし、着実に
何か確かなものを積み重ねて
いけたように思うこの一年。
来年は、新しい仲間を募り、
さらに、(また詳しくご報告できるかと思いますが)
新たな一歩も踏み出すことになりそうで
とにかく、ワクワクが収まりません!
とはいえ、私自身、正直なところ、
子育て(0歳、2歳、5歳)で
毎日はいっぱいいっぱいで、
しばらくは、このペースで動き続けるしか
ないんだろうな、と思っています。
子育て中だから、やりたいこともできない・・・と
思ったら、きっとそうなんだろうけれど、
私は、子育て中という理由で
できない、と言いたくなくて、
できる限りのことを、やりたいなあと思います。
だって、子育てって、多分、ずっとずっと終わらないし、
終わった頃には、親の介護で動けないとか、
自分の体がいうこと効かない年齢になっちゃったとか、
そんな気がするからです。
ありがたいことに、私の両親もまだ元気で
たくさん支えてもらっているし、
夫の理解と多大なる協力もあるからこそ
こうして、毎日過ごせています。
お店を拡大したいというよりも
やりたいことを、やりたい仲間と
愉しく、継続して、やっていくために
必要なことをやるのみ・・・というのが
今の私の本心です。
もう少し落ち着いたら、もうちょっと先の展望も
見据えることができるのかな・・・と
淡い期待を抱きつつも、
今の私が、全てなんだろうと半分諦めて、
経営戦略は、夫に任せることとします。笑
そうそう、来年は石徹白の取り組みも
紹介されているドキュメンタリー映画
「おだやかな革命」も公開されます。
より多くの方が、石徹白のことを知ってくださり、
ここに足を運んでいただけるようになると
いいなあと思います。
それくらい、この石徹白は、私にとって
魅力的な場所、力をもらえる場所であり、
守り、注いでいきたい土地だからこそ
多くの人への認知を高めることも
一つの大切なことだなあと日々、考えています。
この2017年がこれまでの一年と
明らかに異なる一年だったのは、
大切な人がたくさん亡くなったことかもしれません。
そして、同時に、たくさんの命が
石徹白で生まれたということでもあります。
学生時代からお世話になり
心の師匠である森本喜久男さん、
そして、石徹白の長老たち、
大好きだったYさん。
まさか、こんなに早く・・・と悲しみは
今も消えません。が、いただいたものの
大きさに改めて感謝し、
彼らの思いを受け継いでいくことに
勝手に使命感を抱き、
やるべきことへの推進力が増したように感じています。
石徹白では、これまでにないほど
たくさんの新しい命が生まれています。
うちにも三人目の可愛い命が誕生しました。
2017年は命がめぐる、そんな年だったのかも
しれません。
躊躇することなく変化し、
新しい一歩を踏み出していく。
来年も、時代の変わり目に対し、
柔軟に、しなやかな心で
対していきたいと思います。
愉しく、充実した気持ちで
今を生きるために。
今年も本当にお世話になりました。
このブログを読んでくださっている
全ての方に、心から感謝いたします。
2018年も、どうぞよろしくお願いいたします。
(年が開ける前にまた更新するかもしれませんが。。)
石徹白洋品店
平野馨生里
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石徹白洋品店
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© Itoshiro Yohinten.