冬の手仕事 石徹白で「たつけ」をつくろう(第3回)
2018.3.17
冬の間は県道から見えなかった石徹白洋品店も
雪の壁が取り払われ、ようやく姿を現しました。
まだ工房には母屋からしか出入りできませんが、
春の陽気で入口の雪もじきに溶けていくことでしょう。
おかげさまで、冬のたつけのワークショップ
(第3回)も無事に終了しました!
冬というよりは、春めいた石徹白へ
今回は中部、北陸よりご参加いただきました。
女性たちだけというのもあって(?)
和気あいあいと、ともに楽しい3日間を
本当にありがとうございました。
1日目は緊張の布裁ちとロックミシン。
自分の寸法を測り、
最初から肝心なパートですが、
伸び縮みする生地を前に
まっすぐじゃない気がする!
なんか歪んでる・・と、
几帳面な参加者の皆さま。
ロックミシンも3台フル活用で、
1日目の目標も達成!
夜にはおいしいご飯をいただき、
Tさんの昔の「衣」のお話は、今回
撮影をお願いして、記録させていただきました。
後世にも残したい、貴重なお話を
こうして、直接伺えることに感謝して。
何度見させていただいても
先人の知恵と技が結集された品々は
見飽きることがありません。
昔の野良着のフルコーディネートも
オシャレで大盛り上がり!
着古された麻の生地って柔らかいね、
しゃがむのが楽チン!、と
着てみて実感です。
そして、最後の回は、Tさんから
100年物の麻にからむしをまぜた糸を
お土産に参加者の皆さまに贈呈!
これを今年染めてみたらどうなるのか、
楽しみですね。
翌日の朝は白山中居神社に参拝。
前回は雪をよじ上りましたが、
キレイに階段の雪がなくなっていました。
いつもご案内してくださる禰宜のHさんには
本当に感謝です。
Sさんには今回当時のお写真も
見せていただきました。
野良作業でもキレイに着飾る
石徹白の女性たち。
夏には着物をたくし上げて峠を下り、
八幡まで髪結いをしてもらったと、
青春時代を本当に楽しそうに
語ってくださいました。
たつけづくりでは難しい部分の
縫い方のコツを教えていただいたり、
まだまだ学ぶことが沢山です。
今回のランチには、MAGOEMONさんの
特製オードブル!!
参加者のIさんが育てた菊いもが入った、
おからサラダやきんぴら、
自家製ウスターソースで食べる
チキンカツや、石徹白のふきのとうで
つくられたふきみそおにぎりも
とっても美味しかったです!
午後は洋品店の商品を見たり、
試着した後、チクチク作業。
ウエストをゴムにする人、
紐にする人、ポケットをつける人、
途中から、それぞれに工程が変わり、
翌日の完成を目指して頑張ります。
途中、常連のお客さんのように
猫が度々お膝に訪問しに来たりして、
癒し半分、煩わしさ半分といったところ?(笑)
ほっこりする時間も必要ですね。
3日目は今回快晴だったものの、
やはり雪の大かまくらには行けないほど、
完成までの最後の追い込みに必死!
夜なべをして、少し時間も延ばして‥
見事、皆さん形になりました!
直線裁ちでシンプルに見えるけれど、
要所要所にある難しさを乗り越えて、
完成する石徹白の「たつけ」。
本当にお疲れさまでした!!
最後の美味しいランチタイムでは、
ご褒美でノンアルビールを注文する方も!
3日間の充実した時間を振り返り、
次には上級編で「さっくり」もつくりたい、と
ご要望もいただきました。
冬の「たつけ」づくりワークショップを通して、
石徹白洋品店としても、沢山の気づきと学びがあり、
参加者の皆さんとのいいご縁に恵まれた、
よい場であったと実感しています。
本当にありがとうございました。
今後も、このように石徹白の暮らしや文化を
学びながら、ものづくりを楽しめる
ワークショップを企画していけたらと
考えています。
またの機会をぜひ、楽しみにお待ちください!
帰り際に、見納めの雪の大かまくら!
石徹白にももう春が来ています。
雪解けとともに、また色んなことが始まり、
今年はどんなシーズンになるでしょうか。
私も最近鼻やのどがムズムズし出しましたが、
皆さんもどうぞご自愛くださいね。
(斉藤)