ヒマラヤに暮らす羊さんより
2019.10.31
sinduさんという、インドに通って
様々な手仕事の布を日本に紹介されている
温和で穏やかな女性に、今年の春、出会いました。
インドに入って、そこから15時間ほど
バスに揺られて(揺られ方が半端ないようです・・・)
たどり着いた先に住む人たちから
譲ってもらう生地たちは、
もともとは、寒い地域で男性らが上着を作るために
織られてきた温かくて分厚くて丈夫な布とのこと。
私はこれらの反物を見せてもらって、一目惚れをしてしまいました。
日本の毛織物の産地である
愛知県の尾州の織物は
とても繊細で美しく、ハイクオリティ。
世界の尾州と言われるのは納得な品質で、
どんなシーンでも着られる完璧なあらゆる生地を生み出しています。
そこの職人さんらのプライドも、
最終的な製品も、私は大好きで、
毛織物といえば尾州産地のものを使わせてもらっています。
もちろん、今後も引き続き、そうなると思うのですが・・・
今回のヒマラヤウールとの出会いは
感覚的にショッキングでした。
まず、ナチュラルな羊さんの色の
なんとも愛らしいこと!
薄いグレー、リネンの生成りのようなベージュ、
赤みのあるブラウン・・・。
草木染めのように、なんと表現したらいいかわからない
中間色のような自然の色たち。
その年によって、同じ羊さんでも少しずつ色が異なるそうです。
干ばつの年、暑い年、食べるものの状態も変わる中で
羊さんの毛も変化をしていくのですね。
さらに、手紡ぎ、手織りの風合いの柔らかさ。
柔らかいと言っても、私たちは、もはや
カシミヤのような超ソフトでふわふわな着心地に
慣れてしまっているので、
チクチクを感じたり、
ゴワゴワしていると思ったりするのですが、
手の仕事でしかできない、空気をたっぷり含んだ
やさしい風合いの糸、それによる織りの仕事は
機械ではできない味わいを持っています。
この服は、布から、
この布は糸から、
この糸は、羊毛から、
この羊毛は羊から、
この羊は草から、
この草は大地と太陽と雨からできている。
地球全体の恵みを、
私たちは、この手によって
服という形にして、身にまとっているんだ、
と思える。
そんな服です。
背景が奥深くて、
回りくどい説明になってしまったかもしれませんが・・・
(そういう服ばかりですが)
思わず、長々と書いてしまいました。
でも、これを読まなくとも、
このコートは、
見て着て、本当にかわいらしくて
素敵と思ってもらえると思うので、
ちなみに・・・と思って読んでもらえたら嬉しいです。
東京のGAIAさん(11/1-12/1)での
委託販売もスタートしており、
石徹白洋品店の服が、各地域で
いろいろな方に出会っていると思うと
とても光栄に思います。
よきご縁が繋がりますように。
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石徹白洋品店
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© Itoshiro Yohinten.