この二日間のこと
2017年、シーズン最初の営業日2日間が
無事に終了いたしました。
おいでいただきましたみなさま、
本当にありがとうございました。
今シーズンの新作の胸に手刺繍を施した
白のシャツです。
軽やかで、春にふさわしい心地良いシャツに
仕上がりました。
石徹白洋品店では、
できるだけ顔の見える関係の中で、
地域の中でものづくりを行っています。
胸に刺繍をしてくださったのは、
石徹白でこぎん刺しをされている美奈子さん、
シャツのお仕立ては、岐阜市で縫製をしている
友人のYさん。
お二人ともとても丁寧なお仕事をしてくださる方で
いつも尊敬しています。
そんなお二人の合作のこのシャツを、
お披露目することができて、とっても幸せです。
マチギの新作のワンピースも、
これまでも作ってきたたつけやはかまも、
すべて顔の見える中で、
信頼関係の元作ってきたもので、
これらがお客様に気に入っていただけて、
お嫁に行ってくれるのが本当に嬉しいのです。
さらに、そこで、新たな役割ができ、
服が何かお役に立てると思うと、
ああ、服を作ってよかった、と心から思えます。
一時期は、
もう、こんなにたくさん、世の中に服が流通していて
使っては捨て、というのが当たり前の時代の中で
服作りなんて、ゴミを作っているようなものじゃないか・・・と
ものづくりに対する葛藤を抱えた事もありました。
けれども今は、私にとって、服作りは、
石徹白に伝わる和服の文化を伝えるための大切な方法の一つであるとともに、
一緒に作る人との絆を強くすることでもあり、
新しい方との出会い、ご縁の大きなきっかけ、
社会とつながる、大きなパイプであると思えるようになって、
清々しい気持ちで、ワクワクしながら
服作りを進めていくことができるようになりました。
さらに、藍染めから手織りまでされている
皆藤さんのような素晴らしい職人さんの作られる服に
日々ふれていると、私の創作意欲もふつふつと湧いてきて、
もともと、服作りを「表現」と
捉えることはなかったのですが、
私もいつか、服作りに自分なりの表現を
加えてみたいという思いにも至っております。
なんだか不思議です。ここにある、
在ってくれる(とでもいうのか)服の力によってか
毎日心が変化していくのです。
石徹白洋品店という場所は、
もはや、私の想像を超えた、
私にっても刺激的な場になりつつあるのです。
畑も始まり、これから藍が植わる。
それを横に、藍染めや、草木染めをする。
100年ほど前に使われていた
手績み、手織り、手染めの石徹白産野良着をお手本に・・・。
素晴らしき日々に感謝して。
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石徹白洋品店
〒501-5231 岐阜県郡上市白鳥町石徹白65-18
TEL:0575-86-3360
© Itoshiro Yohinten.