お蚕さんからの糸づくり学校が始まります
2019.5.26~
今週末、5月26日(日)より、
「お蚕さんからの糸づくり学校」が始まります。
今年で3年目の取り組みです。
お蚕さんを自分で育てて、
それを糸にする。
糸を染めて、糸かけ曼荼羅の作品を仕上げるグループと、
真綿を染めて、糸にして、ストールを織るグループに分かれます。
詳細はこちらのFBページをご覧ください。
「お蚕さんについて学ぶ」
https://www.facebook.com/events/231709537665467/
この取り組みを始めたきっかけは幾つかあります。
一つは、身の回りに「シルク」と言われるものがありますが、
このシルクってどうやってできているのか知らなくて、
原材料まで考えた時に、
「お蚕さん」からできていることは知っていたんだけど、
どういうプロセスでできているのか、
自分自身、体験を通して知りたかったということ。
さらに、私の仲間の一人で、養蚕農家さんに修行に行き、
何万頭ものお蚕さんを育てた経験のある矢沢由紀子さんの
「日本で廃れつつあるお蚕さんの文化を継承していきたい」
という思いに強く共感したということ。
さらに、何より、(虫が苦手だったのに)お蚕さんが可愛らしく感じ、
これは、もしかしたら、私のDNAの中に、お蚕さんを愛でることのできる
エッセンスがあって、それはご先祖さまから脈々と続くものかもしれない、
などという、半分空想、だけど半分確信めいた気持ちが、あるからです。
石徹白でもお蚕さんを育てていた話は聞いていて、
桑も飛び種からか、あるいは昔の桑畑だったのか
探すと結構たくさんあります。
(だんだん「桑の目」になってきて、桑があると容易に反応できるようになります)
どのくらいの期間、どのくらいの量を石徹白で育てていたのか定かではありませんが
(確実に、「麻」の布や道具の方が残っているので、主力は麻だったのだと思います)
確実に、いつかの時代に養蚕もやっていて、
お蚕さんと生活していた歴史もあるのだと思うのです。
石徹白は寒いので、
お蚕さんにとっては過酷な時期もありますが、
きっと、2階の温かい場所で
大切に飼われたのだと思います。
先日、原種の「玉小石」のお蚕さんがやってきました。
私自身、見たことのないくらいの小さな黒い子たちでしたが、
数日たったら、もう白い子になっていて驚きました。
こんなに小さい子達は初めてなので、
ドキドキワクワクしています。
最終的には、石徹白に残っている
自給的に作ってきた「紬」の反物を
まずは作り上げること、を目指していきたいと思います。
その風合いの柔らかく優しく、
温かみと言ったら・・・
市場にある「シルク」とは全く異なる
絹の概念を覆すような布です。
矢沢さんと、まず、それを作っていくことを目標に
この1ヶ月半、走っていきたいと思います。
お天道様と雨水の恵みによって
土から桑が生え、
それを食んでお蚕さんが育ち、
その命を頂いて、糸を紡ぎ、
布を織り上げる。
そして、身にまとうものになる。
果てしない営みのように見えつつも、
当たり前にあった暮らしの中の「布」ができるプロセスを
目の前で実現できると思うと、
さらなる奥深いものへの追求を始めたくなります。
この先にはどんな道が続いているのか・・・
学びの日々に心から感謝して。
(平野馨生里)
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