あったかい草木染めの靴下たち
2018.9.10
3年ほど前から始めた
郡上の手しごと好きなお母さんたちとの
染めたり縫ったりするサークル活動
「郡上手しごと会議」。
このメンバーと、継続して手しごとをしていくために
事業化に挑戦し始めたのが、今年の4月。
少しずつですが、形になってきて、
この9月から、草木染めのシルクウールの靴下を
リリースしましたので、ご紹介させていただきます。
私が郡上のお母さんたちと
サークル活動を始めて感じたこと。
それは、郡上の人は、土に近く、
何かを畑で育てることに抵抗がない。
そして、周りにたくさんの植物があるので
それらの恵みを暮らしに取り入れることも
日常的なこと。
手仕事も普段の生活の中でごくごく自然に
行われているので、器用な方が多い。
これは、岐阜市に住んでいた私にとって、
すべてが、キラキラとした宝物に見えた。
けれども、それを続けることが、
やはり、外からの資本が田舎に入ってきて、
暮らしぶりが変化することによって、
難しくなってきたという背景があって、
お金を稼ぐために、それらの手の仕事を諦めて、
外に働きにでなければならない状況が
当たり前になってきた。
私は、この、郡上の人たちの手の持つ力を
もっともっと日常的に発揮して、
彼女らの技術を、当たり前のように続けて行けるような
環境を作りたいと思った。
そのためには、ある程度(ある程度でいい、)の
経済的裏付けが必要だと思った。
それは、自分や家族への納得にもつながると思う。
この4月から、郡上市が行っている
郡上カンパニーの取り組みを活用して、
諏訪ゆうみちゃんに入ってもらって、
郡上のお母さんたちと草木染めをしたり、
お蚕さんを飼ったりという活動を進めています。
小さな仕事でも
周りの自然と調和するもので
(環境を破壊するものではなくて)
人とのつながりができて
やりがいがあって、
自分の生きる力に結びつくものって
素敵だなあ、と思って、
そういう仕事を生み出したいと思っています。
身近な草木花から命をいただいて
染めることだったり、
お蚕さんを育てて、糸をいただくことだったり。
そんなに膨大な収入には、確かに繋がらないかも
しれません。
けれど、私たちは、お金を稼ぐために
生きているわけではない。
生きるために、必要なお金はあるけれど、
それ以上に、生きる喜びとか
楽しみとか、この土地で生きる意味とかを
わかっていることが大事だと思うのです。
大切な家族がいて、
その家族に何かあった時は
迷わず、彼らを優先して、
自分の時間が作れる時に、
集中して、仕事をしていく、というような
時間や心も融通してできる仕事が
どうにか創れないか。
常に試行錯誤だけれど、
私たちが作りたいもの、
一緒に仕事をしたい人、
納得してできること。
毎日を彩りあるものにするために、
そして、楽しく愉快に生きていくために、
できることをしていきたいです。
温かい靴下は、
宣伝するまでもなく、人気で、
すでに何足もお嫁に行きました。
共感してくださる皆さんに、
ぜひ手にとって、ぬくもりを感じていただきたいです。
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石徹白洋品店
〒501-5231 岐阜県郡上市白鳥町石徹白65-18
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© Itoshiro Yohinten.